息子がいじめられて気が付いたこと⑥
わたしにできる一番の復讐とは
とにかく私の願いはただ一つ、
あのクソガキが、最低な人生を送ってほしい。
それだけ。でした。
最初は、こう考えてました。
クラスメイトの親に、怒鳴りこまれて教科書ビリビリに破かれてもいじめを辞めなかった子ですから、もう、誰に何を言われても変わらないだろうと。
であれば、彼自身に何か、ダメージがないと、わからないだろうと。
いじめをすると社会的にどんなリスクがあるか、身をもって感じないとわからないだろうと。
例えば出席停止とか。
例えば内申書にかかれるとか。
だからこそ私は、警察や弁護士にもお話をしていたんですね。
でもそれは、いじめをされたうちの息子にダメージがないので(笑)
正直、難しいことがわかりました。(でもまだあきらめてませんけどね)
そしてまた、こうも考えてました。
よく、「悪いことする奴は、必ず自分に悪いことが返ってくる」みたいな考え方あるじゃないですか。自業自得とか、勧善懲悪みたいな。
そういうのって、結局自分で言いたいことが言えない人が、罰を与える行為を他人に頼ってるだけのことで、全然かっこよくないって思ってたんです。
言いたいことや、いやなことがあれば、自分で言えよ、って。
目には目を、歯には歯をは、自分できちんとカタをつけるべき、と。
だって、そうですよね。一番怒ってるのは、私だから。
でも、最終的には、こんな風に思ったんです。
彼の悪いところを、直してほしくない。と。
私がいじめっ子に向かって、おまえのそういうところが良くない、みんな迷惑してる、ということは、簡単だし、いつでもできるし、当たり前にやっていいことだと思います。
でも、私はそのいじめっ子に対して愛情がまったくないんです。
どうぞ、このまま奈落の底へ落ちて行って欲しいんです。
愛情があるなら叱りますし、いじめをやめさせたい。
でも、叱る愛情エネルギーすら、ない。
だから、いま彼が崖に向かって歩いていくのを止める必要はないと思いました。
だってね、
彼の世界は、とてもとても意地悪に満ち溢れているだろうから。
その世界でどうぞ、生きて行って欲しいから。
止める必要も、変えてもらう必要もないのです。
だから、私と息子は、こう約束しました。
いじめられてる子がいたら、やめさせる。
でも、彼らの世界を変える必要はない。と。